2013年8月2日金曜日

競争戦略:まず、戦略思考をかえろ。アントレプレナーの教科書


商品をどのように売っていくかを考えるとき競争の視点が重要な要素として存在します。競争戦略と言えばMポーター「競争の戦略」マイケルポーター著
この本は試験に出るのでとにかく暗記した覚えしかありません。よって論評はしません。実務的に競争戦略を始めて考えることができるようになった「アントレプレナーの教科書」Sブランク著をご紹介します。

アントレプレナーの教科書のSブランクは、今はやりの「リーンスタートアップ」エリックリース著をアドバイスしたコンサルタント。この書籍は経営学でも残っていく名著でしょう。
しかし非常に読みづらいです。私は辞書のように使っています。
この本ずっと積読でしたが、ページを開くたびに気になることがかかれています。私は本を最初から読まないのですが、どこのページを開いても気になることが書かれている不思議な本でした。あるとき最後の参考文献をみると驚きます。
自分が読んだ、興味ある本ばかりなのです。だからどのページをみてもそれらが浮かんできて気になっていたわけです。

この本はそれらの本をただまとめたわけではありません。「事業は4つのステージにわけられ、そのステージごとにやるべき事が違う」とうったえ、そのポリシーに基づき、4つのステージにそれぞれ有名なやり方をマッピングしている書籍です。

この4つのステージは製品ライフサイクルから来ているのですが、相当に説得力があります。4つのステージそれぞれの失敗例は私が現場でTOC/CCPMの初期段階から今までに出会った事ばかりだからです。

この本を紹介すると相当なページがいるのですが競争戦略についても、独特のことが書かれています。
競争戦略を3つのタイプにわけています。既存市場・新規市場・中間市場の3つ。

既存市場とは、もろにライバルがいる状態、こちらはライバルをいかに倒すかが鍵になりますが、相手が大きすぎると相当なコストが必要で現実的でなくなる事を書いています。
>ライバルが26%以上のシェアをもっているならマーケティングコストが1.7倍以上必要になる、2社で75%以上シェアがある寡占市場の場合3倍のコストが必要になり参入は難しい<

新規市場とは、ライバルがいない状態。世の中にとって新しい商品であればライバルがいない事が多々あります。この場合競争戦略はお客様の代替品(代替行動)との戦いになります。例えば「手作業でやっているVSソフトウェアでやる」といったものです。この状態の場合、比較ではなく考え方を啓蒙していく必要があります。エバンジェリスト(伝道師)を打ち立てて考え方自体を広めていかなければ買ってくれません。この状況はライバルがいないので価格も高めに設定できますが、そもそもお客様が何なのか理解していませんので相当な提案営業能力が必要になります。
多くの商品の場合理解されず消えていきます。
Sブランクは啓蒙するにはうまくいっても3から7年の時間がかかると言っています。

中間市場とは、再セグメント化した市場です。つまり競争のある既存市場の中でも、ある特定の人たちのみを相手にして、新たな商品のようにたち振る舞う状態。
この立ち位置(ポジション)をとった場合、大きなライバルのいる既存市場、啓蒙に時間のかかる新規市場の中間をとれる事になり成功する確率が高まるとしています。


ちなみに私の今開発しているソフトウェアは非常に独特の物ですが、CRM市場(6,534億円規模)うちSFA(23億円規模)に分類されます。
そのうち43%のシェアを1社が持っています。既存市場真っ向勝負するにはシェア1位の会社の1.7倍のマーケティングコストをかけないといけない。そんな資金はないのでムリ。
TOC専用営業ソフトという新規市場のポジションをとるなら、自分がエバンジュリストとして講演や書籍を出して世に広めるという事になりますが、軌道にのるまで3年~7年かかるのは資金的にきつい。
よって中間市場を選択する方が良さそうです。

このような考え方はマイケルポーターのリーダー・フォロワー・ニッチャーよりも実践的と感じました。Mポーターの場合市場は創られている物という前提で分析的であるように読めます。
しかし、現実には市場は誰かが創り出すのであり、それは自分自身である事が多いでしょう。よってどういった市場を創り出すかは企業側が決めるわけで、世の中ではありません。よって競争戦略(ポジショニング戦略)は自ら決めることができるはずです。


Sブランクは自らどのタイプを選ぶのか決めろとしています。未来の市場は、誰からに与えられるのではなく、自ら創り出すと考えている思想を感じさせます。