2013年7月5日金曜日

開発が進化する5つの条件


久しくブログ更新を怠っていましたが、思うことあって市川淳信氏の書籍を読み返しあまりに重要と感じたので自分なりにまとめてみます。




・人がわかるようになるまでの流れ
わかるとは経験していないことを予測できるようになる事。
人が経験を通じてわかるまでの典型的なプロセスは以下の通り


<イメージする>
例えば佐藤さんのことを色々知っている。というだけでは佐藤さんの行動を予測することはできず分かっているとはいえない。色々な経験を抽象化して「佐藤さんは几帳面な人」といったイメージを作ることで記憶することができ、予測に活用できるようになる

<イメージを使って予測する>
例えば佐藤さんから本を貸してくれと頼まれたとする。「佐藤さんは几帳面な人」というイメージから「佐藤さんは貸した本を返してくれる」との予測が立てられる

<予測と観察結果を比較する>
実際に本を貸してみて佐藤さんが本を返してくれたら、イメージは間違っていなかったといえる

<反例をもとにイメージを作り直す>
もし佐藤さんが返してくれなかった場合、その経験をふまえて新しいイメージを作り直す。

このループを通じてわかるようになる。

・科学における仮説検証の方法
わかるまでのプロセスを様々な人が分業できるようにしているのが科学の仮説検証プロセス。このプロセスが19世紀に確立され、以降科学的発見は爆発的に増加した。


<仮説設定>
現象を観察するなどからモデルを作成する

<演繹的推論>
「aであるとaではないが共存しない」「aであるならbである。bであるならCである。ならばaであるならcである」この二つのルールに基づき仮説の結果起こることを因果関係で検討し推論結果を作り上げる。このステップは一本道で枝分かれしない。

<推論結果と観察・実験結果の比較>
推論結果と観察・実験結果を比較する。誤差の範囲内であれば仮説は間違っていないと実証される。

<帰納的推論をもとに仮説の作り直し>
比較結果が一致しなければ反例を検証し新しい仮説を設定する。反例を検証する方法は、帰納的に推論するが、これは一本道の論理的方法はなく、試行錯誤による。

科学の世界は世界中の様々な研究者がこのループするプロセスに従うことにより進化していった。

ここで興味深いのは。
・分業するから爆発的に進化したと言う事
・分業が出来るようになったのは推論方法などが統一されているからという事。
・具体的には演繹的推論方法が統一されており、これは一本道で枝分かれしない事。
・仮説を立てるときの帰納的推論は特に定まった方法はなく、一本道の論理的方法はなく枝分かれしていく、いまだに夢でみたとか様々な方法から生まれているという事。
・19世紀以降科学が爆発的に進化したポイントは、アイデアを思いつく所(仮説設定方法)がスピードアップしたからではなく、アイデアの間違いを発見する所(仮説を検証する方法)がスピードアップしたからという事


・マフィアオファーによる商品戦略の仮説検証方法
以上を元に、私が開発しているTOCセールス&マーケティングでの仮説検証を整理してみる。

<仮説設定>
商品に関係する商品企画・開発・営業各部門から選抜された3名で仮説設定を行う。
新しく開発する商品や既に開発されている商品に関してアピールポイントとなる特徴的機能を3つ考える。
3つを考える方法は特に決まったプロセスはない。

<演繹的推論>
商品企画・開発・営業各部門から選抜された3名で推論を行う。
3つの特徴的機能が生み出す、顧客価値をそれぞれ因果関係でだし、その反対の状態を顧客の困りごととして3つ設定する。
更にこの3つの困りごとがお客様の重大な問題になっているか因果関係で推論する。
重大な問題とは顧客の株主満足・顧客満足・従業員満足への影響と考え推論していく。
この推論はTOC思考プロセスに規定されるルール(CLR)をもちい現状構造ツリーを作成することで実施していく。

<推論結果と観察・実験結果の比較>
営業マンが顧客に訪問し検証を行う。
設定した顧客の困りごとを問題質問、顧客への重大な問題を重大質問という質問の形にして5段階評価で点数をつける。
「4点:能動的に困っていると答えた」
「5点:困っており既に問題解決策を打っているが不満足」
といった高得点が得られれば商品を開発して良い、売り方が開発できる、と判断できる。

<帰納的推論をもとに仮説の作り直し>
質問に対する点数が低い場合その原因を商品企画が検討する。
顧客のタイプで評点の高低に特徴があある場合、セグメンテーションを行い、そのセグメントに集中して営業を行えば十分な売上規模を得られるのかを検討する。
売上規模が足りない、また低得点ばかりの場合、結果をうけて新たな特徴的機能を検討する。
検討する方法が観察法などいくつかの方法があるが定まった方法はない。


今のところ以上という事になる。
企画のステップをきちんとおこなうと、開発するスピードよりも、作るべき物がなにかを企画するスピードの方が遅い。つまりほとんどの企業で要求仕様を作るプロセスがボトルネックになる。

これをもっと爆発的に進化させる仕組みを考えていきたい。





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