2013年3月25日月曜日

驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則


プレゼン方法について書かれた物をたまたま連続してみたので私もまとめてみようと。

まずこのブログはブックレビューなのでその手の書籍についてですが、タイトルがいいのは「スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則」残念ながら練習する位しか得られません。。

仕事柄色々な本を見てきたのですがこれといって紹介できるほど参考したものはありません。
プレゼンの本ではないのですが「超文章法」野口 悠紀雄著は色々な意味で参考になります。

私のプレゼンは2種類で営業的なセミナー(2時間程度)か研修(1日中)で年間200回ぐらいプレゼンをしています。このペースが7年ぐらい。ほとんど旅芸人状態。そこでプレゼンするときに経験主義的に気をつけていること、気をつけていたこと、自身の振り返りのためにも書いてみます。

<事前準備>

・話の構成

プレゼンの構成はかなり気をつけています。色々な構成方法がありますが、ザ・ゴールに書かれている「何を、何に、どのように変えるのか」にそってプレゼンする事がほとんどです。「問題の提示→解決方向性の提示→具体的な解決策」という進め方。TOCのコンサルタントだからという理由もありますが、結局これが一番わかりやすいように思えるからです。
特に現場の方に話すときは、共感を得るような問題の共有から始める事を重視しています。社内プレゼンではなく、アウェイで話すことが多いので特にここには力を入れています。

「何を、何に、どのように変えるのか」の反対のパターンは、最初に結論をいう、最初に成功事例を話す、最初に商品説明するといったパターンです。これは決裁者プレゼンでは良いのですが多くの場合反感をかい失敗します。
また、どうやっても「何を、何に、どのように変えるのか」の構成で話せない場合、人に話すような内容にまで昇華できていないという事なのでネタを変えます。

・スライドのデザイン
スライドについて色々な議論があります。フォントは16以下は使ってはいけないとか、プレゼンテーションZENのような極端な物から色々。文字だけのスライドばかりは論外ですね。

私は、文字だけのスライドを使うことはほとんどないですが、文字のないスライドも使わないようにしています。
研修会社からの依頼の場合、文字がないスライドだとクレームをうけますし、後で読んでもらう、また他の人に回覧してもらう事を考えるとある程度文字が必要だと思っています。
公演中はスライドをみてもらうよりも話している自分の方をみてもらう事を前提に考えています。
スティーブジョブズの伝説の講演はパワーポイントを使っていませんし、TEDでもスライドが映っているのではなくスピーカーが写っています。その事を考えるとスライドはその場でみてもらうと考えるより後で読んでもらう、共有してもらう目的で作る方がよいかと思っています。

また、プレゼンテーションZENについては、他の人がZEN的にやっている人と同じようなスライドになるので、個性が出せないのでやらないようにしています。

・最後の方にアニメーションを使わない
 プレゼンしていて一番気になるのは時間です。早く終わってしまっても困るし、時間がなくなっても困ります。
これを避けるためにはスライドを少なめにしておき、時間が余りそうならゆっくり話すというのがテクニックになります。しかし、これは相当慣れていないと難しいので人には勧めません。

たいがいは短めに終わってしまうのが怖いのでどうしても多めにスライドを作ってしまうのはしょうがないと思います。ただ気をつけるのは、最後の方のスライドにはアニメーションをつかわないようにしておくという事です。
時間がなくなったとき、最後の方のスライドは早く進める事になりますが、この時スライドにアニメーションがあるとなかなか次に進まずかなりみっともない状態になります。これを避けるため最後の方のスライドにはアニメーションを使わない方が無難です。
プレゼンテーションZENのようなやり方をしたときも同じリスクがありますので十分練習しないと難しいでしょう。

・「この続きは○○で」はやめる
 色々な人と一緒にプレゼンする機会があるのですが「この続きは○○で」としめる人がいます。これはやめた方が・・・・。宣伝するのは目的なので全然問題ないと思いますが、話が面白くないうえ、結論は別のところで、だったら聞いている側は最悪。いままでこのパターンでしめた人を何人も見たことがあるのですが、共通して内容が面白くなく最悪です。。。
聞きに来ている人は貴重な時間を使ってわざわざ聞いてくれているのできちんと結論を話さないと失礼です。

・学生症候群はやめる
プレゼンをぎりぎりまで作って話す人がいますが、これはやめた方が良いです。そうやっている人のプレゼンはだいたい支離滅裂。よっぽどの偉いサンでない限り、早めに完成させて提出してスタッフや他の講演者から意見をもらえるようにした方がよいでしょう。

・練習する
結局の所練習するにつきると思います。うちの社員にはそうアドバイスしています。
一人で口に出して練習するのはもちろん、誰かに聞いてもらえるのがベストです。声に出して話せばロジックが通っているかどうかがわかります。これを繰り返せばきちんとしたロジックのプレゼンができます。どんな競技でも練習しないプロはいないので当たり前。
私の場合だいたい電車の中で黙読して練習します。
<講演当日>

・演壇の目の前に座っている人とは話す前に名刺交換しておく
話しているとき怪訝な顔をする人を見てしまうと一気に落ち着けなくなります。目の前の人と名刺交換して話しておくと、あまり怪訝な顔をして聞かないので、その人をみれば落ち着く、また公演中に質問を投げかける事ができる。こんな理由から名刺交換しておくのはお勧めです。
誰かから聞いたやり方だと思いますが誰だったかは想い出せません。

・話し始める前に口を大きく開ける練習をして滑舌をよくする
これは講演を沢山やっている人が実際にやっているのを真似てやるようにしています。

・最初にスクリーン・プロジェクターの前にたつ
講演を聴いたけど、どんな人が話していたか覚えていない。色々な講演を聴きますがそんな事がほとんどです。聞き手はスクリーンをずっと見ているので当たり前。ほとんどの聞き手はしゃべっているのが誰かみていません。
そこで私の場合、話し出す最初はスクリーンの所に立つ。中央にあるプロジェクターの前にたってスクリーンを消す。といった事をやるようにしています。一番最初は自己紹介なので、そのときは顔を見せて覚えてもらうようにしています。

・なるべく指し棒をつかう。
 これは、ある書籍に「レーザーポインターをちらちら動かすと見ている人の目が疲れるのできとんと固定して使わないといけない。しかした緊張しているとどうしても震えてポインターが動いてしまうので指し棒を使う方が無難。」と書かれているものを読みそうしていました。いまは震えるほど緊張する場面が滅多にないのですが、くせになっていて大きな会場以外では指し棒をつかうようにしています。

・うなづいている人を見る
 これも最近は意識しなくなってしまいましたが、昔は意識していたものです。話しているとき頷いてくれる人がいます。この人を見ながら話すと相当に落ち着け冷静に話せます。
逆に私が面白い話をする人の話を聞くときはなるべく頷きながら聞くようにしています。そうすれば得られることが更に多くなるわけですので。

・大きな声で話す
「どうせ1時間とかで内容まで理解してもらえないので、一生懸命やっていることをわかってもらう事に重点を置くべき」若いときにプレゼン方法についてアドバイス頂いた中で一番覚えている言葉。これは確かです。嫌われても良いので一生懸命大きな声で話すのはとても重要かと。

<フィードバック>
・アンケートをとる
アンケートを採るとき満足しましたか?を5点法でつけてもらうのが普通ですが、あまりフィードバックをえられません。
どんなアンケートがベストかはまだ試行錯誤中ですが、最近意識しているのがノイズを拾わないようにする事。聞いてもらいたくない人が1点、2点つけていても気にしない。聞いてもらいたい人の点数がいくつかが重要です。どうしても全員にうけるよう話したくなりますがこれでは八方美人で何だったのか記憶に残らないプレゼンになるので気をつけなければなりません。
アンケートには問題を最初に話すので、問題に対していかがでしたか(5点法)解決に使えそうですか(5点法)こんな感じがよいかと思っています。

・同じ話を何回もする
色々な人と一緒に講演してきましたが、非常に話のうまい人に共通しているのは、同じ話を何百回もしているという点です。以前私が話した後の基調講演の社長様は500回ぐらい同じ講演をしているとのことで、笑いあり涙ありの上ためになる漫談という感じ。
何回も同じ話をするからうまくなるのか、うまいから何回も同じ話ができる場があるのか、因果関係の検証が必要ですが、何度も話していればうまくて当然、練習するにも通ずるのですが何度も話す事は重要です。

何度も講演するチャンスがあるのに、いつも構成を変えてしまうのはやめた方が良い。改善するときは少しだけパラメーターを変えて結果がどうなるか観察することが重要です。沢山のパラメーターを変えてしまえば違った結果がでても何が良くなったのかわかりません。

・講演すること自体を目的化しない
私の場合話を聞いていただいた方に「やってみよう!!」と思ってもらう事が目的なのですが、どうしても講演に満足して頂き、沢山の拍手をもらう事を目的にしてしまいます。これはまだまだ解決策がみつけられていません。

自省をこめて、だらだら書いてしまいました。

2013年3月15日金曜日

日本企業が捨ててしまった大事な物


TOCのコンサルタントなのにブログにTOCの事がほとんど書かれていない。というのもあれなので本日はTOC関連
ゴールドラットのインタビューなどを編纂した書籍が出版されています。

・経営学の常識を覆す自然科学に基づいたTOC
・効率を正しく追求すればむしろリストラの必要はなくなる
・巨人の肩の上に立って

この3つは何度も読み返してきた文章で格好いい。是非みなさんも読んで頂きたいと思います。論点を少々。

【TOCとは、Inherent sinmplicity かつ People are goodである】

ゴールドラットの定義するTOC。これは難しい定義です。
ゴールドラットの左腕と言えるエリーシュラーゲンハイムが書籍に解説しているものがありこちらの方が"やや"わかりやすい。
Supply Chain Management at Warp Speed
Eli Schragenheim (著), H William Dettmer (著), J. Wayne Patterson (著)
People are goodについて
>>また、制約理論では、会社にとって正しいことなら従業員は喜んでやってくれると仮定する。しかし、時にはこの仮定が保証できないこともあるだろう。だがこの願望を叶えるのは、いかなる場合も指導者の役割であり、本書の範囲を超えている<<

脚注にこのような事が書かれています。ゴールドラットの話では理解できなかったのですが、私はこれを読んで次のように解釈しています。
→TOCは、「全ての人が良いことをしようとしている」との前提条件の上に成り立っている。そうでない事もありえるがそれはTOCの扱う領域ではない。

Inherent sinmplicityについて

P7・経営学の常識を覆す自然科学に基づいたTOC
>>社会科学では4行ですむなら単純、4000ページを要するならなら複雑。自然科学の定義ではデータ要素が多い少ないは関係ありません。「自由度が高ければ高いほど、システムは複雑」という事になります。<<

ゴールドラット。かなり難しい・・・。

iPhoneはシンプルで、日本の携帯は複雑だ。そんな話を聞きますが、この定義で考えるとどうだろう。
iPhoneは、開発としては自由度が高いので複雑。ユーザー側も色々出来る。
デザインがシンプルとかいう人もいますが、安藤忠雄、バウハウスはシンプル?
クラシックは複雑で、パンクロックはシンプル?

Supply Chain Management at Warp Speedでは、Inherent sinmplicityの解説としてカオス理論を引き合いに出した説明があります。一見複雑に見えるものも単純な式でできている。といった話です。うーーむ。

【効率を正しく追求すればむしろリストラの必要はなくなる】
これは始めて読んだとき人生観が変わるぐらい影響を受けました。
私は前職でカルロスゴーンもびっくりの固定費60%以上削減した実績があります。
その後自慢じゃないですが固定費100%削減達成です。(倒産したということです)

ゴールドラットはザ・ゴールで、企業の目的はお金を儲け続けることだと書いています。
このインタビューではそのためには終身雇用を守りリストラはするなと書いています。
格好いい。

【巨人の肩の上に立って】
これについては是非原文をお読みください。ゴールドラットが追求してきた物がまとめられています。
格好いい。

【未開拓の分野】
>>すばらしい科学者になる秘訣は、脳力(知力)にあるわけではない。脳なら誰でも持っている。我々はただ現実を直視して、その現実を理論的に、かつ正確に思考しなければならないだけである。肝心なのは、我々が見ている物と、導き出す結論と、実際に何が行われているかの間の矛盾を直視する勇気を持つことである。基礎となる仮定を疑うことが、ブレークスルーに必要なのである。<<

現実のセールス&マーケティングの話は矛盾したことばかりと感じます。
ですので私は、巨人の肩の上にたってセールス&マーケティングの分野を追求してみようと思っているところです。

ともかく、思うのはゴールドラットは格好いいという事です。

2013年3月13日水曜日

SPIN4,反論処理



4,反論処理 

「顧客の反論を上手にさばくことこそ商談成立の決め手」と教えられるが高額商品では不調に終わることがほとんどである。

私の営業経験でも反論をされることがあり、それにどう対処するかは考えさせられます。
しかしニールラッカムは、

>反論処理する方法を身につけるのではなく、反論を予防する方が重要である<
としています。

まず反論処理をトレーニングする講師に聞いた話を紹介しています。

>反論処理が重要との話しでしたが、あなたは商談で反論されるのでしょうか。若い頃と今を比較して見てください。若い頃より今の方が反論が少なくなり営業成績がよくなっているのではないでしょうか。もしそうであれば反論処理がうまくなったから営業成績が上がったのではなく、反論されなくなったから営業成績があがったと言えるのではないでしょうか<

これは自分自身の経験を考えれば説得力のある話しです。私自身営業時点で反論される事は非常に多かったですが、てっきり反論に対処できるようになったから成約率があがったのだと思っていました。しかし考えてみると営業段階での反論自体が少なくなっているのは事実です。
よって反論処理がうまくなったから成約率が上がったとはいえず
反論自体が少なくなったので成約率が上がったと言えるでしょう。

ニールラッカムは、
特徴を示すことは価格
利点を示すことは反論
につながると分析しています。

商談のはじめの方に特徴を説明すると、お客様はその特徴に対する対価をはらわないといけないのだろうな、つまり高いだろうなと思ってきます。この特徴が多ければ多いほどそう思うます。
価格の安い少額商品の場合、まず特徴の話をしててんこ盛りですが今なら1000円です。といわれれば飛びついて買うでしょう。
しかし価格が高い高額商品の場合、やっぱり高いなぁと反応され購入してもらえません。

次に利点を示すと反論につながるとしています。

ニールラッカムは利点とは
>製品・サービスの特徴がいかに役立つかを示すこと<

と定義していますが、利点を言うと「本当に御社のサービスで実現できるのですか?」と反論されますし、利点は一般論ですので、「我々は特殊ですので」という反論を受けてしまい、特殊である自分たちに必要な特徴はあるのかとの反論が続きます。

このような事を考えると、反論を生む原因は商品にあるのではなく、「利点を示す」という営業マンの行動にあるといえます。

これらの解決策としてニールラッカムは、
利点を示すのではなく、お客様のニーズについて質問し、それに対する解決策として自社商品を提示する。こうすれば反論は大幅に減少すると。

お客様自身が解決したいと思っていることに対する解決策であれば100点満点でなくても50点でもよいと考える可能性がでてきます。

ただし、ニーズが顕在化していなければこのやり方は通用しません。つまり「言われてみればそういう問題あるなぁ」といったレベルのニーズに対して解決策である商品を提案しても、価格が高いなぁとの反応になるだけです。高額商品の場合ニーズをしっかり顕在化している状態になってから自社商品を提示しなければならないのです。

ニールラッカムはこれらを具体的に実現するために
状況質問
問題質問
示唆質問
解決質問
と4つの質問を順次展開していくSPIN式販売というものを提唱しています。

非常に理にかなっています。

ただ問題はこれを実際の営業の現場でやるのは難しすぎてムリがあるいという点でしょう。

2013年3月3日日曜日

ハイテクマーケティングのバイブル:トルネード

マーケティング戦略とはコトラーによるとセグメンテーション(市場細分化戦略)ターゲティング、ポジショニング(競争戦略)4P(製品、価格、流通、広告)を策定し実行することと言われています。試験勉強でしたらSTP4Pと丸暗記ですね。
丸暗記は簡単なのですが、実際の自分の事業で戦略を創るのは難しい・・・

では製品ライフサイクル別に戦略策定のガイドを書いています。

例えば、ライフサイクルの頂点に登る前期メインステージでは「顧客は無視して、よい品質の物を欠品なく供給することに集中しろ、競争相手は徹底して撃破、流通政策はひろく代理店に、価格政策は低価格に」

普及期に入る前のキャズムステージでは、「市場を徹底的に細分化して、競争するな。その市場向けに完璧な製品を開発する製品政策を実施しろ、価格政策は高めに、流通政策は直販中心」
といった具合に相当に具体的です。

一体自分の事業はどのライフサイクルステージにいるのか?という点が困難ですが、それさえ合意形成できれば戦略を迅速にたてる事が可能になります。



私は「正しい戦略など立てられる人はいない」と考えています。タイムマシーンはありませんので。ただし「間違った戦略」はあると思っています。それは世の中に対してではなく、戦略の要素が矛盾している状態です。

自分の製品がどのライフサイクルにあるのかに合意形成できれば、詳細な戦略が導き出せる。そうすると戦術立案スピードは大幅に速まり、間違いに気づいて修正するスピードも早まるでしょう。

戦略コンサルタントに莫大なお金を払って、すさまじい枚数のレポートを作ってもらい、それから社内に合意形成する。そんなスピードで戦略をたてても、出来た頃には市場環境が変わってしまいます。

もし製品ライフサイクルから最も集中すべき制約条件がわかれば。事業スピードは大幅に早まり劇的な成長が可能になるでしょう。